企画展- 岩手と、さわぐるみと
2022年、春。
今年は東北地方も東京と同じく平年並の、6月15日の梅雨入りでしたが、
そのちょうど1日前にあたる、6月14日。
スタッフ数名で盛岡を訪れ、今回の企画展をお願いするかごの作り手
佐々木敏夫さんにお会いして、お話をうかがいました。
梅雨入り間近とはいうものの、この日は爽やかな、すっきりと晴れた1日でした。
佐々木さんのお話では、最近は気候変動の影響か、盛岡でも暑さを感じる日が増えているそうです。
ただ、この日はそこまで暑くもなく、吹く風が少しひんやりとした、「昔の盛岡っぽい」陽気とのこと。
ご友人の高倉さんも同行してくださり、
佐々木さんに、さわくるみの採取ポイントをご案内いただきました。
さわぐるみの採取ポイントに向かう車内では、
ひとりのスタッフが札幌に住んでいたことがあるという話から、盛岡の冬についての話に。
札幌など北海道から盛岡に来た人が、「盛岡はめちゃめちゃ寒いね」とよく言うんです、と佐々木さん。
真冬は盛岡市内でもマイナス10度を下回る寒さになり、
市の中心部から離れた「薮川(やぶかわ)」へワカサギ釣りに行くと、
朝方にマイナス20度ほどを体感することもあるそうです。早朝に釣りをしていて、晴れ間が見えると
「空中にキラキラとしたダイヤモンドダストを見ることもできるんですよ」と教えてくださいました。
そんな寒冷の地でもよく育つさわぐるみ。
今回は、県内の採取ポイントのひとつをご案内いただき、
刈り取るのに適したさわぐるみの木を選んで
スタッフにも刈り取りを体験させてくださいました。
伐り取った木は、切り込みを入れて樹皮を剥いでいきます。
樹皮の裏や剥がれた木の芯に触れると、しっとり、ペタペタとして瑞々しい。
もっと採取する時期がいいと、枝を伐った断面から水分がぼたぼたと滴るように垂れてくるほど、フレッシュだといいます。
*2021年5月に取材したときのコラムも合わせてご覧ください。→材料採取 岩手県のさわぐるみ採取
製作だけでなく、材料採取もご自身でおこなう佐々木さん。
毎年、自然の中に分け入って材料を採り続けていくというのは、かなり根気と体力のいることです。
また近年では、熊の出没も増えていて、去年は佐々木さんも遭遇した経験があるとのこと。
採取期間中の何よりの楽しみは、地元のラーメン屋さん巡り。その時期は毎日のように美味しいラーメンを食べるそうです。
「くるみなのか、ラーメンなのか」と笑いながら言います。ラーメンを食べるために、くるみを採っているんじゃないかと。
かご作りを始められるまえは、釣り関係のお仕事に就いていらしたほどの釣り好き。
材料採りが落ち着くと、「そろそろ釣りにいこうか」となるそうです。
子どもの頃から、ずっと盛岡に住んでいらっしゃる佐々木さん。
友人や親戚がいたり、前職で関東に行くことはよくあったそうですが、
「東京は遊びにいくところという感じです」。
「こっちにいたほうが遊べますね」
山も、川も、海もある。自然も街も近い。
「盛岡にいれば、だいたいなんでも揃いますよ」。
仕事も遊びも、どちらも生活の大切な要素。
佐々木さんの作られたかごの数々を見ていると、
それが反映されているように感じます。
9月16日(金)より始まる弊店の企画展では、
初日(16日)・2日目(17日)と佐々木敏夫さんが在店してくださいます。
素材、かごのこと、かご作り、地元のことについてなど、直接お話をうかがえる貴重な機会ですので、
ぜひご予約のうえ、お越しください。
※採取場所は、すべて許可を得てから採取、撮影をしています。
_ _ _ _ _ //ご案内//_ _ _ _ _
*作り手さんが在店される9/16(金)、9/17(土)のご来店は、完全予約制となります。
**企画展期間中は、「岩手 さわぐるみのかご」の商品ラインナップを中心に展示いたします。
そのほかの常設品は店頭から下げており、ごく一部のみの展示となります。
ご来店いただいたついでに、ほかにご覧になりたい品物がありましたら、ご来店時スタッフにお声がけください。
倉庫からお持ちします。その際は、商品名などを具体的にご指定いただけると助かります。
***今回の企画展では、お買い上げいただいたものをそのままお持ち帰りいただけます。
店頭にならぶ商品のみの販売となり、そのほとんどが一点物となりますので、
気になるものがございましたら、お早めのご来店をお勧めいたします。
また、この企画展では、受注製作の受付はいたしませんので、ご了承ください。
- 企画展名 : 岩手 さわぐるみのかご -表と裏が織りなす豊かな世界-
- 会期 : 2022年9月16日(金)〜9月21日(水)*会期中無休
- 時間 : 16日、17日のみ10:30〜16:30
その他の日は11:00〜16:00