世界かご編み大会2023 in ポーランド 6 -セルフェンタとのひと時@ポズナン植物園-
ポーランドでの世界大会渡航前に一つ、会合のアポイントをいただいていました。
現在、私たちがご紹介するポーランドのかごを、現地で取りまとめてくださっている
「セルフェンタ」というグループからのお誘いです。
彼女たちはポーランドのかごの作り手を訪ね歩き、
そして、そのかご文化を国内外の人々に伝え、その技術やものが次の世代へ続いていくように、と
日々奮闘されています。
そんなセルフェンタメンバーはこの大会の開催中に、ちょうどポズナンにある植物園(Poznan Botanical Gardens)で、
がまを使ったワークショップを行なっているということでした。
せっかくの機会ですから、大会の合間をぬって、佐々木さんと見学させていただくことに。
こちらの植物園は、ポーランドという大陸の一部の国の利点を生かし、
アジアやヨーロッパ全体からたくさんの植物を集めているとのことです。
その植物園の一角に、素敵なデザインの建物がありました。
この建物の中でセルフェンタチームが、ポーランドのかごの企画展を2階で行っているとのこと。
また、同時にがまを使ったワークショップも1階で開かれていました。
セルフェンタを主宰するパウリーナさん(青いワンピースの女性)は、ポーランド中を走りまわり、たくさんの作り手のもとを訪ねられて、熱心にかごの研究・紹介を続けていらっしゃいます。 ポーランドも日本と同様に、かごを作れる職人は減っていく一方とのこと。最後のお一人しか作れないというかごも、多く存在しているそうです。 ポーランドも素材としては、やなぎが一番多いですが、他にもヘーゼル、パインなどを材料にしたものもあります。 こちらはヘーゼルを使った、四角い足付き、持ち手付きかご。造形が素晴らしいと思いました。 ポーランドには、マツ科の植物の根っこを使ったかごもあります。その根っこそのものの迫力ある展示。Zogata(ゾガッタ)というかごです。(こちらから商品ページへ) パンをのせる、麦わらを使った大皿のようなタイプのかごもあります。 日本の岡山県には行われるヒメガマ(学名:Typha domingensis)細工があります。ポーランドにも同様にガマ(学名:Typha latifolia L.)をかごにする文化があります。遠く離れた地においても似た植物を加工していること、人々の営み、植物を加工する知恵の共通に感動を覚えます。 日本ですと稲わら(=米)をかごの材料にしますが、ポーランドでは、麦わら(=ライ麦パン)をかごの材料にします。その土地で食べられている主食とかご作りには密接な関係があります。実を食し、残った茎や葉を生活道具にする先人の無駄のなさ、合理性にここでも気付かされます。 かごを編む時の道具も、実にそれぞれの土地で研ぎ澄まされています。「よいかご作り」に、「最適な道具」はいつもセットです。ポイントは、高価な道具が、必ずしも良いわけではないということでしょうか。
セルフェンタの皆さんの確かな目で集められたポーランドのかごは、
弊店のオンラインショップでもご紹介しています→ポーランドのかごのページはこちら。
その後、連れて行っていただいたレストランでも、引き続き、たくさんのかごの話で盛り上がります。
現地においてのかごの目利きであるセルフェンタのメンバーを通じて、
これまで以上にポーランドのかごを皆様にご紹介していけたらと思っています。
イチカワトモタケ
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つづく