ヘーゼルのかごに魅了されて / ドイツの作り手・ベンジャミンさん(後編)
ただいま、実店舗にて開催中の
「“ひとつのテーブル”特集展 -やなぎとヘーゼル/ドイツ・ベルギーのかご-」にて
ドイツの作り手、ベンジャミンさんによるヘーゼルとやなぎのかご、
そして、ベルギーのジェニーさん・ジェフカさん作の、やなぎのかごを、それぞれご紹介・販売しています。
どちらも日本では、本特集展がはじめてのご紹介となります。
ぜひこの機会に、実際にみていただけましたら光栄です。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のコラムでは、前編に続き、ドイツのベンジャミンさんについて、紹介いたします。
前編は「出逢い」でしたが、さらにベンジャミンさんご自身のことやかごについて、
もうすこし、お伝えできればと思います。
はじまりは、2023年にポーランド・ポズナン市で行われた「世界かご編み大会」へ、訪れたとき。
編み手としてこのコンクールへ参加されていたのが、ドイツからいらしていたベンジャミンさん。
写真は世界かご編み大会での実演の様子。ベンジャミンさんは、ここで「ヘーゼルのかご」を製作されていました。
こちら、写真左にあるのがヘーゼルの小枝。ベンジャミンさんは、生垣にもともと自生しているものをかごの製作時、必要に応じて採取されるそうです。
冬のヘーゼル(の状態)が一番好きで、新鮮なもの、健康的なものをつかうようにしているとのこと。
ベンジャミンさんの実演を見ていて、店主がおどろいたのは、とにかくとても丁寧で、繊細な作業であったこと。
会場でヘーゼルの枝を割り、小さなバターナイフのような道具をつかい、骨組みとなるひごを作っていたのですが、そのけずる作業が、このまま果てしなくつづくのではないかと思うほどの丁寧さでした。
ベンジャミンさんの手によって作り上げられたかごを手にすると、ひとつひとつ、どれも確かな作りであることが、しっかりと伝わってきます。
そして、ベンジャミンさんが「二人三脚で編みつづけている」とおっしゃっている、お父様。
お祖父様の代からつづいているかご編みのお仕事を、今は現役を引退されていますが、今でも息子さんであるベンジャミンさんと互いに刺激を受けながら、教え合いながら作られているそうです。
やなぎのバスケットも作られています。品種はたくさんあり(おそらく何百も)、その中からベンジャミンさんは10種類ほどをつかっているそうです。 「私は自分のことを“モダン”なバスケットメーカーだとは思っていません。父から受け継いだ形もありますし、自分でプロポーションを決めたりもしますが、私の作品のほとんどは伝統的なデザインに基づいています。」 「私の目標は、つねに完璧に仕上げることです。もちろん、この目標に到達することはないけれど、それはずっと、私の目標でありつづけると思います。」 「とくに、技術的な品質、丈夫さ、かたちについて、気をつかっています。」
「とてもやりがいのある仕事をしている感じがして楽しいです。」
かごを編むまでは、生物学や環境学、ソーシャルワーカー、そして、写真にかかわる仕事をつづけていたというベンジャミンさん。でも、仕事をつづけていくうちに、都市でのいそがしい暮らしに疲れてしまったとのこと。
もういちど、有意義な生活や活動をするために、かご編みの仕事を選んだそうです。
今回、弊店にて、このような特集展を企画していることを彼に伝えると、とても喜んでくれました。
「私の作品をジェニーとジェフカの作品と一緒に展示するというあなたのアイデアが大好きです。
私たちは友人であり、彼らの作品が大好きです。」
ベンジャミンさんにそう言われて気がつきましたが、
この、ドイツのベンジャミンさん×ベルギーのジェニーさん・ジェフカさん親子の展示会は、
ヨーロッパでもまだ開催されたことはないようです。
おそらく世界でもはじめてとなる、華やかな共演をどうぞおたのしみください。
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“ひとつのテーブル”特集展
-やなぎとヘーゼル/ドイツ・ベルギーのかご-
2025年1月
9日(木),10日(金),11日(土),12日(日),13日(月祝)
16日(木),17日(金),18日(土)
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弊店の実店舗は東京・南千住にある小さな家屋で、売り場面積は6坪ほど。
その真ん中にはお店を占めるように、大きめのテーブルが鎮座していますが、
このテーブルに「やなぎ」や「ヘーゼル」のバスケットを並べて、皆さまをお迎えします。
なお、特集は真ん中のテーブルにて。
そのほかの棚は常設の商品をおいておりますので、いつもどおりご覧いただけます。
再入荷の商品のほか、新しく届いているものもご紹介していきます。
こちらもどうぞお楽しみください。
ご来店をお待ちしております!