タイ/カチュー村を訪ねて 1

こんにちは。店主のイチカワ トモタケです。
さて、2025年4月10日(木)から、東京南千住にあります市川籠店の実店舗において
「タイより / カチューとラタン -身の周りを整えるかご-」
と題しまして“ひとつのテーブル”特集展を開催いたします。

これまでも弊店で定番品として長くご紹介してきた「カチュー(水草)」のかごを中心に、
今回の特集展ではじめてのお披露目となる「ラタン(籐)」のかごも並びます。
カチューのような草細工につかわれる素材は、
上の写真(編み作業をしている様子)のようにとにかく“しなやか”であることが持ち味です。
そのカチューが目の詰まった編み地になると
“丈夫さ”も生まれ、日常使いに適したかごとなります。

たくさんの商品タイプやサイズがあり、バリエーション豊富なカチューのかご。
軽やかさや取り回しの良さにくわえて、手頃な価格帯であることもあいまって、
日頃から、お客さまに大変ご好評をいただいています。
弊店であつかうカチューのかごは、技術のある作り手によるもので、
さらにしっかりと人の目と手による検品を通ったクオリティの高いものたち。

タイ国内でも、マーケットや百貨店、空港などで
カチューのかごに出会うことができますが、見比べてみると、その品質や仕上がりはさまざま。
タイやアメリカなどでは、カチューに染めが入っていたりカラフルにペイントされたり、
それからレザーや布などでデコレーションされたかごバッグやかごが好まれるようですが、
弊店のカチューシリーズは、日本の風土や暮らしにもなじみやすく、
素材の風合いをたのしめるよう、シンプルで自然な仕上がりになっています。

たくさんのお客さまに、お手に取っていただいているカチューのかごたち。
わたし自身、日々、お店を営みながら
「いつかは、タイでかごを作っていらっしゃるみなさんを
それぞれ訪ねて、お礼を申し上げたいなあ」と思っていました。

そして昨年、その念願がかない、タイ南部へ赴いて
カチューのかごを製作されている村へうかがえることに!
カチューのかごを作る方々にお会いし、
水草であるカチューが生育しているところ、村の様子やかごの製作風景を見せていただきました。
今回からのコラムでは、カチューのかごを作る村をまわったときのことを
お話したいと思います。

「市川さん、ようこそタイへ!」
タイの首都、バンコクのスワンナプーム国際空港ターミナル、到着ロビーにて。
今回のタイ出張での案内役をしてくださった、MさんとEさん。
“微笑みの国・タイ”といわれる所以、ここにあり。と、
しぜんに腑に落ちるような、すてきな満面の笑みで出迎えてくださいました。
その温かい笑顔を見るなり、わたしはタイに無事に着いたんだとホッとして、
それから、この旅への期待が高まるのを感じました。

わたしにとって、タイでのお楽しみといえば、やっぱり食事(もちろん、かごも)。現地の方にお連れいただいた夕食は「アロイ・マーク!(とてもおいしい!)」 もち米(カオニャオ/写真右)を入れるかご「ティップカオ」。いただきます! こちらは「鶏」がおすすめのお店とのこと。とてもジューシーでおいしい! 豚肉と紫玉ねぎの炒め物。美味しいのですが、見た目にも増してとっても辛く、本場のタイフードはこうなんだと実感しました。 タイ南部出身のEさん。タイ語と、タイ南部の方言、英語とすこしの日本語ができるので、通訳としてご同行くださいました。写真手前はトム・ヤムクン。わたしの大好物ですが、さすがに「辛い〜!だけど、おいしい〜!辛い〜!」の繰り返しでした。Eさんにはこの辛さがちょうどいいようで、「おいしい」と普通におっしゃってました。さすがです…。 辛いもののあとに、シャーベットデザート。ひんやり甘くて、癒されました。亀ゼリーやパンダンリーフ味など、味覚も色彩もゆたか。
さて、たのしい夕食のあとは、ホテルへチェックイン。
翌日の早朝には、さっそくバンコクからタイ南部都市へとフライト予定のため、
この日は早めに就寝しました。

そして、翌朝。4時半に目覚ましが鳴り、起床。
まだ外は真っ暗のなか、タイ国内線のドンムアン空港へ。
日本からの直行便が離発着するスワンナプーム空港ができる前は、
こちらのドンムアン空港が国際線ターミナルであったとのこと。

夜も明けないうちからドンムアン空港へ行くまでの道のりはすでに渋滞し、
ターミナルの周りにも、ものすごい車の数が列をなしていました。
早朝だし、国内線の空港だから、渋滞の多いバンコクでも
きっとスムーズに車で着けるだろうと考えていたので、この光景にはとても驚きました。
東京とバンコクでは交通事情もずいぶんちがうので、簡単には比べられませんが、
わたしが日本国内で、平日、車で空港へ向かうときには、
ここまで混雑しているのを見たことはありません。
案内してくださったMさんによると、タイはいま、国内に新しい空港が
どんどん建設されているとのこと。
タイと日本、それぞれ国の内情はあるにせよ、
ともかくタイの「勢い」のようなものを感じた出来事でした。
バンコクから目的地の南部都市へ1時間ほどのフライト。 こちら、南部の空港は開港したてとのこと。 空港ターミナル内のお土産物屋さんをのぞいてみると、さっそく!カチューのかごがありました。 ほかにも、こちらのような細編みのかごがありました。こちらはカチューではなく、ヤーンリパオという植物で作られたもの。 きらびやかな装飾にも引けを取らない、かご編みの繊細さ。 こちらのヤーンリパオのかご、タイ南部では伝統的工芸品として位置づけられています。

さあ、ここからいよいよ、カチュー村へ出発です!
つづく
イチカワトモタケ
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“ひとつのテーブル” 特集展
タイより / カチューとラタン
-身の周りを整えるかご-
2025年4月
10(木),11(金),12(土)
17(木),18(金),19(土)
24(木),25(金),26(土),27(日)
Open \ 11:00ー16:00
実店舗 \ 東京・南千住 「市川籠店」 アクセス