黒竹を訪ねて、和歌山へ 2

こんにちは。 イチカワ トモタケです。
前回のジャーナルでは、金﨑弘昭さんに黒竹の竹林をご案内いただき
そこで黒竹が育つ様子をご紹介しました。

伐採され、作業場へと運ばれてきた黒竹は、
そのまますぐに製品になるわけではありません。
ここからいくつもの工程を経て、
すこしずつ製品として出荷できる状態へと整えられていきます。
今回は、伐採された黒竹がどのような工程を経て、
製品として出荷されていくのかをご紹介します。
金﨑竹材店では、和歌山や高知で伐採した竹を作業場へ運び、
まずは太さや長さに応じて仕分けていきます。

上の写真のような、丸のままの黒竹を製品にする場合、
大きく分けると工程はつぎの4つのようになります。
- 枝打ち
- 長さをそろえる
- 芽取り
- 油抜き・矯正
それでは、順番に見ていきましょう。

こちらは「1.枝打ち」の様子です。竹は成長するにつれて、幹(竹では「稈(かん)」と言います)から枝が生えます。その枝を、鎌をつかって払っていきます。 
弘昭さんが鎌で枝を払う手つきはとても早く、あっという間に1本の竹から枝が落ちていきます。「カーン、カーン、カーン」と、澄んだ音が作業場に響きます。払われた枝もむだにはせず、別の製品につかうため、丁寧に集められていました。 
つぎは、「2. 長さをそろえる」です。金﨑竹材店では、丸のままの黒竹は、基本的に2m・3m・4mの長さにそろえて製品にしています。 
それぞれの竹の太さや長さを見ながら、のちの矯正作業も見越して曲がり具合を確認し、慎重かつ手際よくカットしていきます。 
つかいこまれた風合いのある、竹の長さを測るための専用の台。 
電動工具をつかう作業ということもあり、弘昭さんは一つひとつ確認しながら、集中して黒竹をカットしていきます。 
枝打ちを終え、長さをそろえてカットされた黒竹。つぎに行うのは、「3. 芽取り」の作業です。 
鎌で枝打ちをしたあとの根元のところは、写真のように鋭い切り端がのこっています。「芽取り」は、この部分をひとつずつ丁寧に落としていく作業です。 
こちらの工程は、芽取り専用の機械をつかって行います。 
1本の竹にいくつもある節を、ひとつずつこの機械に当てながら芽を落としていく、根気のいる作業です。

こうして芽取りを終えた黒竹です。
ただ、写真を見ると、
竹の表皮は黒というより、むしろ白っぽく見えます。
黒竹の仲間である淡竹(はちく)系の竹は、
成長する過程で表面に蝋(ろう)のような物質をまとい、
粉をふいたような風合いになります。
そこで最後に行うのが、「4. 油抜き・矯正」の作業です。
黒竹を製品として仕上げていく、大切な工程となります。

油抜き・矯正の作業にかかせないのが、こちらのバーナーです。重油を燃料とし、800〜1,000℃ほどの高温の炎で竹を炙ります。熱を加えることで竹の表面に油分や蝋質が浮きでてくるため、それらを汚れとともに丁寧に拭きとっていきます。また、竹は熱を加えると柔らかくなるため、その性質を利用して、同時に曲がりを整える矯正作業も行います。 
竹は一見まっすぐに見えますが、実際には節ごとにすこしずつ向きを変えながら伸びています。その曲がりを整えるときにつかわれるのが、こちらの「万力(マンリキ)」とよばれる、切り欠きのある木製の棒です。金﨑竹材店では、竹の曲がりを矯正するこの工程を「のし」とよぶそうです。 
竹の太さに合わせて、たくさんの種類の「万力(マンリキ)」がありました。 
このように、バーナーの火の出口を狭めたところに竹を置き、高温で一気に熱していきます。 
右手に布を持ち、バーナーで竹を炙りながら、表面に浮き出てきた油分を拭きとっていきます。 
この作業を何本かつづけるだけで、布はあっという間に油分やよごれで黒くなっていきます。 
そして頃合いを見て、竹をバーナーからさっと隣の台へ移し、「万力」をつかって曲がりを矯正していきます。 
本来はかたい竹ですが、熱を加えると、写真のような角度までしなやかに曲がります。「万力」の切り欠き部分に竹を当て、てこの原理を利用しながら、手早く曲がりを整えていきます。 
高温のバーナーを前に、竹の状態を確かめながら作業がつづきます。夏場はとくに暑さが厳しく、大変な作業になるとおっしゃっていました。 
油抜きと矯正を終えた黒竹は、写真のような美しい光沢をまといます。そして作業場には、熱を加えられた黒竹から立ちのぼる、ほんのり甘く香ばしいような香りが漂っていました。


丁寧に矯正しても、自然素材である竹が、
完全な直線になるわけではありません。
とくに細い竹ほど、まっすぐに整えるのがむずかしいそうです。

また、黒竹の色や艶にも、それぞれにちがいがあり、
一つとして同じものはないそうです。
色の淡いもの、濃いもの。
斑点の多いものや、まだら模様のもの、傷のあるもの。
こうして一つひとつ見ていると、人と同じように、
それぞれにちがいがあり、それが個性なのだなと感じます。
黒竹が製品になるまでを動画にまとめましたので、どうぞご覧ください。
(※音楽が流れます)

そしてこのたび、金﨑竹材店さんの黒竹を、
和歌山県からの産地直送品として、私たちの店でもお取り扱いすることになりました。
金﨑竹材店で通常取り扱われている黒竹は、2m・3m・4mという長さがあります。
こちらは業者様向けの商品として、和歌山県から福山通運にて直接お届けします。
【産地直送品・個人宅配送不可】和歌山県/黒竹 2m・3m・4mのページはこちら

また、一般のお客様にも黒竹を気軽にたのしんでいただけるよう、
通常の規格とはべつに、30cm・60cm・90cmの短いサイズも特別にご用意いただきました。
こちらはヤマト運輸にてお届けします。
【産地直送品】211310 和歌山県/黒竹 30cm・60cm・90cmのページはこちら
それぞれの商品ページでは、「長さ」と「太さ」をお選びいただけます。
用途に合わせて、お好みのサイズをお選びください。
国産の黒竹を、ご自宅のお庭やエクステリア、
お部屋やお店のインテリアなどに、気軽に取りいれていただけましたら幸いです。

また、上記の商品ページとはべつに、
・もうすこしちがう長さがほしい
・イベントなどでまとまった量の国産黒竹をつかいたい
・造園などの仕事で、たくさんの竹を注文したい
といったご相談にも対応できるよう、特注専用のお問い合わせページもご用意しました。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらは、長い黒竹をお届けする際の荷姿です。
梱包の手際も見事で、つぎつぎと竹がまとめられていきます。
黒竹を梱包する様子を動画にまとめましたので、どうぞご覧ください。
(※音楽が流れます)
今回は、丸のままの黒竹が製品になるまでをご紹介しました。
金﨑竹材店には、このほかにも黒竹をつかったさまざまな製品があります。
次回のジャーナルでは、そうした黒竹製品について、もうすこし詳しくご紹介していきます。
黒竹のお話は、もうすこしつづきます。
