竹を選び、かごをつくる ― 吉田さんご夫妻を訪ねて 1

こんにちは。 イチカワトモタケです。
10月に入り、秋が日に日に深まっていくこの頃、
過ごしやすい日が増えてきました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、10月の半ばからは、
ひさしぶりに“ひとつのテーブル” 特集展を開催いたします。
□
“ひとつのテーブル” 特集展
吉田竹物 | ふたりの手、ふたつの色
– 白竹と炭化竹の籠 –
2026年
10月16日(金)、17日(土)*、18日(日)
10月23日(金)、24日(土)、25日(日)
10月30日(金)、31日(土)、11月1日(日)
*10月17日(土)は、吉田直樹さんが在店され、
コーヒードリッパー製作の実演をしてくださいます。
*上記日程は11時から16時までの間、どなたでもご来店いただけます。
*10月19日(月)、22日(木)、26日(月)、29日(木)は
予約制にてご来店いただけます。下記ページよりお申し込みください。
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今回ご紹介するのは、大分県で竹のかごを作られている
「吉田竹物」の吉田直樹(なおき)さん・紀子(のりこ)さんご夫妻です。
白竹と炭化竹。
おなじ竹という素材でありながら、それぞれに異なる表情をもつふたつの竹をつかい、
ご夫婦ふたりでさまざまなかごを作られています。
こちらのジャーナルでは、特集展の開催にあわせて、
今年、大分にある吉田さんご夫妻の仕事場を訪ねた際の様子をご紹介してまいります。

大分・別府にある竹工芸訓練センターの卒業生であるお二人。
卒業後は、県内の工房でそれぞれ5年ほど修行を重ねた後に独立され、
お二人で、竹をつかったものづくりを続けられています。
私たちとの出会いは今から8年前となる、2018年。
直樹さんがギャラリーさんからの紹介で、弊店を訪ねてきてくださったのがきっかけでした。

直樹さんは埼玉県狭山市のご出身ですが、
20代の頃には埼玉のほか長野など、いくつかの土地で暮らされていたそうです。
また、海外をバックパッカーとして旅されていた時期もあり、
さまざまな土地や文化に触れてこられました。
私たちにも海外で暮らした経験があることから、共感することも多く、
はじめてお会いしたときから話が弾んだことを、今でもよく覚えています。
それ以来、私たちの店では、
吉田さんご夫妻のかごを定番としてご紹介してきました。
そしてこのたび、はじめてお二人の特集展を開催することになりました。
開催に先立ち、あらためて吉田さんご夫妻のもとを訪ね、
日々のかご作りについてお話をうかがってきました。

まず案内していただいたのは、
かご作りの材料となる竹を保管している竹材倉庫です。

竹というと、日本各地にたくさん生えていて、材料も豊富にあるように思われるかもしれませんが、
その多くは「孟宗竹(もうそうちく)」とよばれる種類の竹です。
かつては孟宗竹もかごの材料としてつかわれることがありましたが、
今、竹細工でつかわれることが多いのは「真竹(まだけ)」という竹です。
そして、竹細工の材料として考えると、ただ竹が生えていればよいというわけではなく、
その種類や一本一本の状態も大切になってきます。
たとえば、おなじ真竹であっても、太さや節の間隔、育ち方などは一本一本異なります。
そのため、作り手は、つくるものに合った竹を見極めながら、材料を選んでいきます。

竹の内部は空洞になっていますが、
「節(ふし)」の部分では、その空洞がいったん仕切られます。
こちらの写真では、その仕切られた竹の節ひとつひとつに
穴が開けられているのがわかります。
竹の長さは、およそ1.6mです。
吉田さんにうかがうと、こちらの竹を加工している竹材屋さんでは、
油抜きの際、長さ2mほどの釜で竹をぐつぐつと煮るのだそうです。
節に穴を開けているのは、
そのとき竹が浮き上がらないようにするためとのことでした。
こうして、かご作りに適した状態まで竹を整えてくれる竹材屋さんですが、
良質な竹材を扱うところはすこしずつ減っており、
材料を手に入れることも以前より難しくなっているそうです。

吉田さんご夫妻が製品づくりにつかう竹は、
「白竹(しろたけ)」と「炭化竹(たんかちく)」とよばれる二種類です。
よび名は違いますが、どちらも竹の種類としては「真竹(まだけ)」です。
おなじ真竹でも、加工の仕方によって色合いや風合いが変わり、それぞれ異なる名前でよばれます。
また、「白竹」は天日にさらして仕上げることから、「さらし竹」ともいいます。

竹林から切り出した青々とした真竹に「油抜き」という工程を施し、
その後、天日にさらして乾燥させることで、このような象牙色の「白竹」へと仕上がります。

油抜きには、火で直接あぶる「乾式(かんしき)」と、
釜でぐつぐつと煮る「湿式(しっしき)」という二つの方法があります。
吉田さんご夫妻がお願いしている竹材屋さんでは、
長さのある釜をつかった湿式で油抜きを行っています。
また、吉田さんご自身もおなじ方法で油抜きをされており、
こうして仕上げた「白竹」を、かご作りの材料としてつかわれています。

こちらは、白竹よりもさらにブラウンがかった色合いの「炭化竹(たんかちく)」です。
炭化竹は、油抜きと天日干しを施した白竹を、
さらに高圧釜に入れ、熱と圧力を加えて仕上げたものです。
吉田さんご夫妻は、おもにこの「白竹」と「炭化竹」、
そして「籐(とう)」の3種類の材料をつかって、製品を作られています。

どうして直樹さんが炭化竹をつかうようになったのか、
そのきっかけについても、すこしお話をうかがいました。
大分の別府市にある県立竹工芸訓練センターへ入所する以前から、
直樹さんは独学で竹細工に取り組まれていたそうです。

こちらは、直樹さんが独学で竹細工に取り組んでいたころ、
ご自身で、炭化させた竹です。
当時から、竹を燻すなどしながら割れにくい竹をつくる方法を
いろいろと試されていたそうです。
その後、訓練センターに入所してから、
竹細工における「炭化」という加工方法を知りました。
炭化することで竹が締まり、割れにくくなるほか、
防虫にもある程度の効果があるといいます。
ただ、直樹さんが炭化竹に惹かれた一番の理由は、その「色」でした。
別府の竹細工には、竹に着色を施したものもありますが、
直樹さんが好んだのは、炭化によって自然に生まれる色合い。
すこし古びたような、長い年月を重ねたものを思わせる、
その落ち着いた色に惹かれたそうです。

真新しいものというよりも、使い込まれたものを思わせるような風合い。
その色合いを自分たちのかごにも取り入れたいという思いから、
炭化竹をつかったものづくりを始められました。
白竹からの炭化加工は、別府にある工場へお願いしています。
高圧釜に入れる時間は15分ほどですが、
長く入れすぎると竹がもろくなってしまうため、
竹の性質を損なわないようにしながら、色合いを変えていきます。
こうして仕上げた炭化竹をつかい、これまでにもさまざまな製品を作られてきました。

そして、私たちの店でも長年ご紹介しているコーヒードリッパーも、
炭化竹をおもな材料として作られています。
あらためてこのコーヒードリッパーについて直樹さんにうかがうと、
「竹の炭化加工は、コーヒーの焙煎にもすこし似たイメージがあります。
その色合いや、熱を加えて仕上げていくというところを重ね合わせた商品でもあります」
と話してくださいました。
今回の特集展では、10月17日(土)に吉田直樹さんが店頭にお越しくださり、
このコーヒードリッパーを製作する様子を実演していただきます。
完成品も数に限りはありますが、ご用意いただいています。
ぜひこの機会にご覧ください。
またこちらは、直樹さんが竹材倉庫を案内してくださった様子です。
動画でどうぞご覧ください。
【※音楽が流れます】
つづく

“ひとつのテーブル” 特集展
吉田竹物 | ふたりの手、ふたつの色
– 白竹と炭化竹の籠 –
2026年
10月16日(金)、17日(土)*、18日(日)
10月23日(金)、24日(土)、25日(日)
10月30日(金)、31日(土)、11月1日(日)
*10月17日(土)は、吉田直樹さんが在店され、
コーヒードリッパー製作の実演をしてくださいます。
*上記日程は11時から16時までの間、どなたでもご来店いただけます。
*10月19日(月)、22日(木)、26日(月)、29日(木)は
予約制にてご来店いただけます。下記ページよりお申し込みください。





