ひたす、ねじる、編む ― 吉田さんご夫妻を訪ねて 3

こんにちは。 イチカワ トモタケです。
吉田直樹さん、紀子さんのお二人で活動されている「吉田竹物」さん。
弊店で10/16(金)より開催する特集展も、すこしずつ会期が近づいてきました。
取材で滞在しているあいだにも、お二人は
それぞれにかご作りを進めていらっしゃいました。
こちらのジャーナルでは、そのなかから、
紀子(のりこ)さんのかご作りの様子をご紹介します。

お二人の工房には、山から水が引かれています。
工房の裏では、その山の水がたえず流れ、さらさらと水音を立てていました。

たっぷりと水を張った大きなたらいには、編みかけのかごが浸けられていました。
竹にかぎらず、自然素材のかご作りでは、材料をやわらかくして扱いやすくするため、
あらかじめ水に浸しておくことがあります。

こちらは、かごの縁を仕上げるための大切な準備なのだそうです。
しばらくすると、紀子さんが頃合いを見て、かごをたらいから引きあげ、作業場へと移動されました。
私もそのあとを追い、作業を見せていただくことにしました。

作業場へ移動すると、紀子さんは、私たちの店でも長年定番としてご紹介している
「白竹整理かご」の製作のつづき、かごの縁を仕上げる作業をされていました。
吉田さんご夫妻に製作をお願いしている白竹整理かごには「浅いタイプ」と「深いタイプ」の2種類があります。
このときに紀子さんが作られていたのは、浅いタイプのようでした。

先ほど水に浸していたかご。かごの縦骨である細い竹ひごが何本も立ち上がっています。紀子さんはその一本一本を手に取り、指先でくるりとねじりながら、順に縁へと納めていきます。 
それからとなりの竹の縦骨に編みつけていきます。 
編みつけたら、ギュッギュッと編み目をつめます。 
迷いのない手の動きで、立ち上がっていた細い竹ひごがつぎつぎとねじられ、縁へと編みこまれていきます。 
なぜ竹をねじるのか、紀子さんに伺ってみました。竹は、ねじることで繊維がまとまり、切れにくくなるため、かごとしての強度も高まるのだそうです。
縄をなうように、竹そのものの性質を活かして丈夫にしていくのだと聞き、なるほどと思いました。一方で、竹をねじらずに折り曲げ、となりの竹ひごへ編み留めていく「折り留め」という、よりシンプルな方法もあるそうです。
この整理かごでは、より丈夫に仕上げるため、「ねじり留め」がつかわれています。一本一本をねじるぶん手間はかかりますが、物を入れて日常的つかうかごだからこそ、強度を考えてこの方法を選んでいるのだそうです。

「この縁の部分は、仕上がると隠れてしまうので、
一本一本すべてをねじる必要があるのかと言われたら、ないのかもしれませんけど……」
そう話す紀子さん。
それでも、これまでたくさんの整理かごを作ってきたお二人は、
つかう方が安心して長くつかえるように、手間をかけてでも、より丈夫なつくり方を選んでいるそうです。

写真左から、ねじり留めを終えたもの、縁の竹枠をはめたもの、そして完成した整理かごです。
この整理かごは、吉田竹物のお二人が長く作りつづけている、代表的な製品のひとつ。
今回の特集展でも、たくさんご用意いただいています。
衣類や小物など、家の中のさまざまなものを整理するのにつかいやすく、
私たちの店でも長くご好評をいただいているかごです。
ぜひ実際にお手に取って、それぞれのサイズ感をご覧いただきながら、
お好みのものをお選びください。
紀子さんが白竹の整理かごを制作されている様子、どうぞご覧ください。
(※音楽が流れます)
つづく

□
“ひとつのテーブル” 特集展
吉田竹物 | ふたりの手、ふたつの色
– 白竹と炭化竹の籠 –
2026年
10月16日(金)、17日(土)*、18日(日)
10月23日(金)、24日(土)、25日(日)
10月30日(金)、31日(土)、11月1日(日)
*10月17日(土)は、吉田直樹さんが在店され、
コーヒードリッパー製作の実演をしてくださいます。
*上記日程は11時から16時までの間、どなたでもご来店いただけます。
*10月19日(月)、22日(木)、26日(月)、29日(木)は予約制にてご来店いただけます。
下記のページよりお申し込みください。





