こちらは、小さな標本瓶-ひょうほんびん-です。

細身の円柱型の本体に、丸いつまみのついた蓋がぴたりと合わさった構造で、
かつては薬品や試料、小さな標本などを保存するために使われていたものと思われます。

ガラスは小さいサイズにもかかわらず、十分な厚みがあります。
わずかな気泡や歪みが、かつて手仕事で作られたことをしっかりと伝えてくれます。

すりガラスの栓は密閉性が高く、現在でもしっかりと開け閉めができます。

経年による細かな擦れや、わずかな歪みはありますが、割れや欠けはなく、全体としては良好な状態です。
また、内部は洗浄してありますので、安心しておつかいいただけます。

ドライフラワーや細い筆やペン、お香など、乾いた素材を納めて飾るのにぴったりのサイズ感。
何も入れずにそのままオブジェとして置いておいても。

わずかな気泡や、手で吹いたガラスならではの「ゆらぎ」があります。
光に透かすと、その不均一さが、かえって穏やかな表情に感じます。

もともとは保存容器や薬瓶として使われていたものかもしれませんが、
今では一輪の花を挿すだけでも、部屋の中でそこだけが澄んだ空間になるような気がします。