コラム
世界かご編み大会2023 in ポーランド 1 -かごに呼ばれて-
こんにちは。やっと少し暑さが和らいできたこの頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 この8月にポーランドのポズナン市で開催された「第5回世界かご編み大会( 5th World Wicker & Weaving Festival 2023)」に参加してまいりました。2019年以来、4年ぶりの開催となります。この間に起きた疫病やいまだ落ち着かない情勢から見ますと、4年ごとに開催されるこの大会が通常通り開催され、参加できたことは感慨深いものがありました。 ありがたいことに主催者からはぜひ、今回も参加してほしいとの連絡が何度も来ていました。ただ、今回は正直なところ、そのような状況や情勢を踏まえ、参加することに私自身、大きな迷いがありました。 そんな中、昨年、弊店で企画展を一緒にしてくださった、岩手でさわぐるみを使ったかごを作られる佐々木敏夫さんにこの大会のお声がけをしてみました。すると、佐々木さんから「ぜひ、行ってみたい!」という言葉をいただき、そのおかげで、迷いが吹っ切れて、2015年、2019年に続いて、3回目の参加を果たすことができました。 こちらのコラムでは、日本から参加した私たちの目線でこの大会をレポートしていきたいと思います。少しずつの更新になりますが、ご興味ある方はぜひ一緒にお楽しみいただけたら幸いです。 ポーランドで行われる世界かご編み大会は、実演コンテスト形式です。2日間という日程で、全参加者が会場に集まり、そこで1つのかごを材料の状態から編み上げて、それを出品します。審査員によって、それが各部門ごとに評価され、最終的には部門を越えて1人の総合グランプリを決めるという形式です。全員がお互いの技術や素材を楽しみ、交流しながらもどこか緊張感のある空気感で包まれる、稀有な大会です。 このような世界情勢にも関わらず、今回も60カ国近い国々が参加したようです。2日間で編みきれないような作品や、ポーランド渡航が叶わない人たち向けには、事前に製作してポーランドへ送り、審査を依頼する「送付作品」部門もあります。 私たちにとっては、その世界中から集まるかご細工を一堂に見られる貴重な機会であるとともに、何より世界でかご作りに携わる人たちとの出会い、そして再会することも大きな目的です。 会場の至る所で編み細工を見ることができます。また、参加者も至るところで、編み細工を取り入れています。 開祭式の様子です。帽子をかぶっているのが主催者のパヴラク氏です。 屋内及び、野外会場には、ヨーロッパでよく使われる素材「やなぎ」を使ったモニュメントも。 太い柳で編まれた大型のハンモックのような、ブランコのような造形。 このような会場に、たくさんのかごにまつわる人々が呼ばれて、集まって、かごを編む。どこまでも編み細工、そしてどこまでも、かご、カゴ、籠です。 イチカワトモタケ +++++++++++++++++++ つづく
-予約販売-- 動物たちの集い 【Nagano -3-】
前回のコラム(輪のかたち【Nagano-2-】)につづき、しめかざり2022のラインナップをご紹介します。 今回は、「動物を象(かたど)ったもの」がテーマです。 *それぞれの商品名をクリックしていただきますと、各商品ページへ移行することができます。 19. 寿酉 - ことぶきどり - 今年から新たに仲間入りした、新作の「寿酉」です。 夜明けが近づくと鳴きはじめる鶏。その高らかな声は、夜の闇を払い、太陽を招き入れるかのよう。 日の光で天候よく、暖かく。そして実りの多い一年を願うしめかざりです。 20. 寿鶴 - じゅかく - こちらも新作の、鶴を模したしめかざりです。 稲穂をたずさえ天に向かって飛び立つような姿が印象的です。 鶴は長寿を象徴する生き物としてよく知られていますが、一方で、鶴がくわえてきた稲穂から稲作の文化がはじまったとする伝承もあり、穀物の神としての側面もあるそうです。 21. 飛鳥 - あすか - こちらも今年から新しくご紹介する、「飛鳥」です。 ごぼうじめを輪にしたリースに、藁の束(サゲ)、稲穂、そして鶴の水引がついた華やかな掛けかざりです。 整った縄綯い(なわない)と色鮮やかな水引は、そのまま飾っても十分に華があります。 22. 雄飛 -...
-予約販売-- 輪のかたち 【Nagano -2-】
前回のコラム(「ひとすじの縄から【Tokyo/Nagano】)につづき、こちらでも今年のしめかざりラインナップをご紹介します。 今回は、「丸い、輪のかたちをしたもの」がテーマです。 *それぞれの商品名をクリックしていただきますと、各商品ページに移行することができます。 11. リース 小・中・大 もとはひとすじの縄でできた「ごぼうじめ」を、輪のかたちにしたものです。 小は細めの仕様、中・大はしっかりとした太さがあり、力強く、それでいてすっきりと整った作りです。 このままシンプルに飾られても。写真では左に「モト(わらの根元)」がくるように飾っていますが、お好みで反対側を表にするのも良いと思います。 橙(だいだい)、裏白(うらじろ)、譲葉(ゆずりは)、紙垂(しで)を付けています。リースを装飾して華やかに。 裏白や譲葉は、年末になると街のお花屋さんで売られていることもありますので、覗かれてみるのも良いかと思います。 ※装飾品につきましては、弊店では販売の予定はございません。ご了承ください。 こちらは赤い千両の実とヒカゲノカズラでクリスマスリース風に。 千両はお正月花で、ヒカゲノカズラも昔から神事に使われる、縁起のいい植物と言われているので、お正月のしめかざりとしてそのまま飾るのも良さそうです。 シンプルなリースの形は、装飾でガラリと表情が変わり、それぞれの雰囲気を楽しむことができます。 12. 円満 - えんまん - 姫・小・中・大 去年もご好評いただいた「円満」シリーズです。今年はサイズ展開が少し変更になり、小さい方から「姫、小、中、大」と4サイズのご紹介です。 こちらの円満も、表と裏、どちらを飾ってもきれいな形ですので、お好きな方を表にしてお飾りください。 豊作をおもわせる垂れた稲穂と、このキュッと折り返された縄の留めが印象的なしめかざり。 お正月を過ぎても、インテリアとしてそのまま飾られるのも雰囲気があって良さそうです。 13. 一望千里 - いちぼうせんり - 眼鏡に見立てたしめかざりで、「先を見通す」「見通しが立つ」という意味が込められています。 華奢でシンプルな作りに見えますが、間近で見ると、素材を選りすぐって丁寧に作られているのがわかります。...
-予約販売-- ひとすじの縄から 【Tokyo/Nagano】
今週木曜に始まりました、しめかざりのご予約受付。こちらのコラムでは、東京と長野で製作されているしめかざり、全24種類をご紹介いたします。 今回は、「ひとすじの縄」をベースに作られているしめかざりのご紹介です。 まずは東京で作られたしめかざりから。 *それぞれの商品名をクリックしていただきますと、各商品ページに移行することができます。 1. ごぼうじめ 二尺・三尺・四尺・六尺 「牛蒡締め」と呼ばれるしめ縄で、一定の太さで一文字に綯(な)われています。これに対し、右側の方が太く、左にいくにつれて段々と細くなっていくタイプのしめ縄は「大根締め」と呼ばれます。 主に玄関や神棚に飾られます。 神棚や間口の大きさに準じて、二尺から六尺まで4つのサイズ展開があります。(一尺=約30cm) キュッと締められた、力強く整然とした縄綯いです。 2. 玉かざり 二寸・三寸・五寸・七寸・尺 玉に見立てた輪の部分と、「サゲ」と言われる「わら(藁)」が垂れたかざりで、主に玄関に飾られます。 こちらの玉かざりには、御幣(ごへい)とよばれる、紙垂(しで)よりも大きい紙の装飾を一緒に同梱します。御幣も紙垂の一種で、雷や稲穂にたとえられることがあります。 「玉に見立てた輪」の部分も、もとはごぼうじめを輪のかたちにしたもので、そう考えるとこちらの玉かざりも「ひとすじの縄」からはじまっているしめかざりと言えそうです。 こちらは御幣のほかに、「譲葉(ゆずりは)」「裏白(うらじろ)」「橙(だいだい)」の装飾を付けたものです。御幣のみを垂らすのも良いですが、玉かざりには、華やかな装飾が似合うようにも思います。 ※御幣以外の装飾品は弊店ではご用意がございません。年末近くになると、街のお花屋さんに譲葉や裏白が売られていることがあるようです。 3. 荒神 - こうじん - こちらも縄を一定の太さで一文字に綯ったごぼうじめの応用編で、主に台所の神様、「荒神様(こうじんさま)」に飾られます。 左サイドがキュッと上に向いている理由は、作り手の方もよくわからないそうですが、「ごぼうじめの尺サイズ」と大きさも作りも同じで区別するためにこのようにしているのかもしれないとのこと。 また、輸入されているものは、梱包効率上、このような形にはしないそうです。 このキュッと上に向いた形が、なんとも粋なあしらいだなと感じます。 4. 細じめ 二尺・三尺・四尺・六尺 こちらもごぼうじめの一種で、太いごぼうじめは縄の芯にわらを詰めて綯い(ない)ますが、細じめは芯を入れずに作ります。 お稲荷様など小さな祠(ほこら)に飾られることが多いお飾りで、神棚や玄関に飾られる方もいらっしゃいます。...
-予約販売-- しめかざり 〜晴れやかな一年へ向けて〜
秋の長雨が過ぎたら、朝晩の気温がぐっと下がり、肌寒さを感じて一枚羽織ったり首に巻いたり。冬の足音が聞こえてくる季節となりました。 あと2か月でいよいよ来年がやってきます。 昨年2021年に、弊店では初めてとなる「しめかざり」のご紹介をいたしましたが、おかげさまでご好評をいただき、今年も販売できる運びとなりました。 つきましては、明後日の10/13(木)より「しめかざり」の予約販売を行います。 年末年始の支度を始めるには、まだちょっと早いようにも思いますが、今年も「受注製作」の形をとってご予約をお受けしてから製作するという流れで行うため、少し早いこの時期のご案内となります。 材料となる「稲わら」の刈り取りは、稲にお米が実るまえ、暑夏の盛りに行われます。日々、稲の伸び具合を見ながら行う収穫は天気とにらめっこ。実がなるギリギリまで、それでいてわら細工にしやすいよう、しっかりと葉が長く出るまでを見極めます。 そして、ここから本格的にしめかざりの準備が始まります。 お米が実るまえの稲わらは、「青刈り」や「ミトラズ」とも呼ばれます。まさにしめかざりを作るために栽培された稲わらが使われます。 中央アルプスの山々から吹き下ろす風がそよぎ、刈り取りを待つ稲もさわさわと気持ちよさそうでした。 稲を刈り始めたと思うと、あっという間に終わっていきます。「カシャン、カシャン」と小気味良い機械音に、刈り終わった後の田んぼの整然とした光景が印象的でした。 2022年のしめかざりご予約期間は、10/13(木)〜10/26(水) の2週間となります。 ご予約は、オンラインショップ、店頭にて承ります。 *お届け時ではなく、ご予約の時点で商品代金を頂戴します。 *しめかざり予約注文以外の商品ともあわせてご注文いただけます。 ただし、 a.通常商品はご注文後3営業日以内の発送 b.しめかざりは12月以降の発送 となりますため、「a+b=2回分」の送料を頂戴いたします。 *しめかざりは季節商品につき、通常商品との同梱はできかねますので、ご了承ください。 *ご注文いただいたしめかざりは12月上旬より順次発送してまいります。 -ご予約受付期間- 2022年10月13日(木) − 10月26日(水) この期間にご予約をいただけますと、ご希望のしめかざりを確実にお届けすることができますので、よろしければご利用ください。 また、ご予約期間に、しめかざりのみの総額で税込3,850円(税抜3,500円)以上ご注文の方へ、ご予約特典として、長野県の稲わら製の「輪(わ)かざり」をおひとつプレゼントいたします。 (※通常商品や送料との合算ではありませんので、ご注意ください。) 輪かざりも各地に見られる、しめかざりの一つです。手に載るほどのちいさなかわいらしいサイズですが、丁寧にしっかりと編まれた質のよい輪かざりです。 わらを綯(な)って縄にしたものを輪っかの形にしています。 張りのある、しめかざりの「モト(わらの根元の方)」です。...
企画展- 表と裏のアンサンブル
雲ひとつない秋晴れの今日、第2回の企画展がスタートいたしました。 店内には、かごバッグを中心に、整理用のかご各サイズ、掛けかごやブローチ、そしてドライフラワーと、100近くの点数が並びます。 本日16日(金)と17日(土)は、作り手の佐々木敏夫さんが岩手からお越しくださり、2日間、在店してくださいます。 かご製作の実演をご覧いただけたり、お話もしていただけます。気さくな方で、いろいろ楽しいお話が聞けるかと思います。 早速いらしたお客様には岩手に縁のある方もいらっしゃり、佐々木さんと地元のお話に花が咲いているような場面も。 ご都合あいましたら、ぜひ遊びにいらしてください。 かごバッグのほかにも、整理かごが各サイズ並んでいます。 たとえば、こちらの「整理かご 中サイズ」。弊店で定期的にご紹介している定番品ですが、この企画展でもラインナップに入っております。 また今回ならではのサイズやデザインのかごも。 ほかに、かわいらしい「掛けかご」たちもご紹介しております。こちらは花入れやハガキ入れに。 ハガキ入れは編み目に透かしが入っているので、中に入れたものがうっすらと見えて、また良いです。掛け紐は、あえて布で仕上げられています。「この脱力感がいいかなと思っています」と、佐々木さん。 また、スワッグやリースのドライフラワーも販売いたします。こちらも佐々木さんが農家さんから取り寄せ、ドライにして作られたものです。 さわぐるみの風合い、質感とドライフラワーがとてもよく合うように思います。 店内にただよう心地のよい、芳ばしいさわぐるみの香りが、いつもとは違って新鮮です。佐々木さんが「工房と同じ香りがする」とおっしゃっていました。 また「これだけ揃うことは今までになかった」とおっしゃるほど、充実した品揃えです! 会期は9/21(水)まで。皆さまのご来店をお待ちしております。 _ _ _ _ _ //ご案内//_ _ _ _ _ *佐々木敏夫さんが在店される9/16(金)、9/17(土)のご来店は、完全予約制となります。ご予約は空きのある時間帯でしたら当日まで受け付けます! →ご来店予約はこちらよりどうぞ **9/18(日)から9/21(水)までは、ご予約なしで自由にご来店いただけます。 ***企画展期間中は、「岩手...