コラム

-予約販売-- ひとすじの縄から 【Tokyo/Nagano】
今週木曜に始まりました、しめかざりのご予約受付。こちらのコラムでは、東京と長野で製作されているしめかざり、全24種類をご紹介いたします。 今回は、「ひとすじの縄」をベースに作られているしめかざりのご紹介です。 まずは東京で作られたしめかざりから。 *それぞれの商品名をクリックしていただきますと、各商品ページに移行することができます。 1. ごぼうじめ 二尺・三尺・四尺・六尺 「牛蒡締め」と呼ばれるしめ縄で、一定の太さで一文字に綯(な)われています。これに対し、右側の方が太く、左にいくにつれて段々と細くなっていくタイプのしめ縄は「大根締め」と呼ばれます。 主に玄関や神棚に飾られます。 神棚や間口の大きさに準じて、二尺から六尺まで4つのサイズ展開があります。(一尺=約30cm) キュッと締められた、力強く整然とした縄綯いです。 2. 玉かざり 二寸・三寸・五寸・七寸・尺 玉に見立てた輪の部分と、「サゲ」と言われる「わら(藁)」が垂れたかざりで、主に玄関に飾られます。 こちらの玉かざりには、御幣(ごへい)とよばれる、紙垂(しで)よりも大きい紙の装飾を一緒に同梱します。御幣も紙垂の一種で、雷や稲穂にたとえられることがあります。 「玉に見立てた輪」の部分も、もとはごぼうじめを輪のかたちにしたもので、そう考えるとこちらの玉かざりも「ひとすじの縄」からはじまっているしめかざりと言えそうです。 こちらは御幣のほかに、「譲葉(ゆずりは)」「裏白(うらじろ)」「橙(だいだい)」の装飾を付けたものです。御幣のみを垂らすのも良いですが、玉かざりには、華やかな装飾が似合うようにも思います。 ※御幣以外の装飾品は弊店ではご用意がございません。年末近くになると、街のお花屋さんに譲葉や裏白が売られていることがあるようです。 3. 荒神 - こうじん - こちらも縄を一定の太さで一文字に綯ったごぼうじめの応用編で、主に台所の神様、「荒神様(こうじんさま)」に飾られます。 左サイドがキュッと上に向いている理由は、作り手の方もよくわからないそうですが、「ごぼうじめの尺サイズ」と大きさも作りも同じで区別するためにこのようにしているのかもしれないとのこと。 また、輸入されているものは、梱包効率上、このような形にはしないそうです。 このキュッと上に向いた形が、なんとも粋なあしらいだなと感じます。 4. 細じめ 二尺・三尺・四尺・六尺 こちらもごぼうじめの一種で、太いごぼうじめは縄の芯にわらを詰めて綯い(ない)ますが、細じめは芯を入れずに作ります。 お稲荷様など小さな祠(ほこら)に飾られることが多いお飾りで、神棚や玄関に飾られる方もいらっしゃいます。...
-予約販売-- ひとすじの縄から 【Tokyo/Nagano】

-予約販売-- しめかざり 〜晴れやかな一年へ向けて〜
秋の長雨が過ぎたら、朝晩の気温がぐっと下がり、肌寒さを感じて一枚羽織ったり首に巻いたり。冬の足音が聞こえてくる季節となりました。 あと2か月でいよいよ来年がやってきます。 昨年2021年に、弊店では初めてとなる「しめかざり」のご紹介をいたしましたが、おかげさまでご好評をいただき、今年も販売できる運びとなりました。 つきましては、明後日の10/13(木)より「しめかざり」の予約販売を行います。 年末年始の支度を始めるには、まだちょっと早いようにも思いますが、今年も「受注製作」の形をとってご予約をお受けしてから製作するという流れで行うため、少し早いこの時期のご案内となります。 材料となる「稲わら」の刈り取りは、稲にお米が実るまえ、暑夏の盛りに行われます。日々、稲の伸び具合を見ながら行う収穫は天気とにらめっこ。実がなるギリギリまで、それでいてわら細工にしやすいよう、しっかりと葉が長く出るまでを見極めます。 そして、ここから本格的にしめかざりの準備が始まります。 お米が実るまえの稲わらは、「青刈り」や「ミトラズ」とも呼ばれます。まさにしめかざりを作るために栽培された稲わらが使われます。 中央アルプスの山々から吹き下ろす風がそよぎ、刈り取りを待つ稲もさわさわと気持ちよさそうでした。 稲を刈り始めたと思うと、あっという間に終わっていきます。「カシャン、カシャン」と小気味良い機械音に、刈り終わった後の田んぼの整然とした光景が印象的でした。 2022年のしめかざりご予約期間は、10/13(木)〜10/26(水) の2週間となります。 ご予約は、オンラインショップ、店頭にて承ります。 *お届け時ではなく、ご予約の時点で商品代金を頂戴します。 *しめかざり予約注文以外の商品ともあわせてご注文いただけます。 ただし、 a.通常商品はご注文後3営業日以内の発送 b.しめかざりは12月以降の発送 となりますため、「a+b=2回分」の送料を頂戴いたします。 *しめかざりは季節商品につき、通常商品との同梱はできかねますので、ご了承ください。 *ご注文いただいたしめかざりは12月上旬より順次発送してまいります。 -ご予約受付期間- 2022年10月13日(木) − 10月26日(水) この期間にご予約をいただけますと、ご希望のしめかざりを確実にお届けすることができますので、よろしければご利用ください。 また、ご予約期間に、しめかざりのみの総額で税込3,850円(税抜3,500円)以上ご注文の方へ、ご予約特典として、長野県の稲わら製の「輪(わ)かざり」をおひとつプレゼントいたします。 (※通常商品や送料との合算ではありませんので、ご注意ください。) 輪かざりも各地に見られる、しめかざりの一つです。手に載るほどのちいさなかわいらしいサイズですが、丁寧にしっかりと編まれた質のよい輪かざりです。 わらを綯(な)って縄にしたものを輪っかの形にしています。 張りのある、しめかざりの「モト(わらの根元の方)」です。...
-予約販売-- しめかざり 〜晴れやかな一年へ向けて〜

企画展- 表と裏のアンサンブル
雲ひとつない秋晴れの今日、第2回の企画展がスタートいたしました。 店内には、かごバッグを中心に、整理用のかご各サイズ、掛けかごやブローチ、そしてドライフラワーと、100近くの点数が並びます。 本日16日(金)と17日(土)は、作り手の佐々木敏夫さんが岩手からお越しくださり、2日間、在店してくださいます。 かご製作の実演をご覧いただけたり、お話もしていただけます。気さくな方で、いろいろ楽しいお話が聞けるかと思います。 早速いらしたお客様には岩手に縁のある方もいらっしゃり、佐々木さんと地元のお話に花が咲いているような場面も。 ご都合あいましたら、ぜひ遊びにいらしてください。 かごバッグのほかにも、整理かごが各サイズ並んでいます。 たとえば、こちらの「整理かご 中サイズ」。弊店で定期的にご紹介している定番品ですが、この企画展でもラインナップに入っております。 また今回ならではのサイズやデザインのかごも。 ほかに、かわいらしい「掛けかご」たちもご紹介しております。こちらは花入れやハガキ入れに。 ハガキ入れは編み目に透かしが入っているので、中に入れたものがうっすらと見えて、また良いです。掛け紐は、あえて布で仕上げられています。「この脱力感がいいかなと思っています」と、佐々木さん。 また、スワッグやリースのドライフラワーも販売いたします。こちらも佐々木さんが農家さんから取り寄せ、ドライにして作られたものです。 さわぐるみの風合い、質感とドライフラワーがとてもよく合うように思います。 店内にただよう心地のよい、芳ばしいさわぐるみの香りが、いつもとは違って新鮮です。佐々木さんが「工房と同じ香りがする」とおっしゃっていました。 また「これだけ揃うことは今までになかった」とおっしゃるほど、充実した品揃えです! 会期は9/21(水)まで。皆さまのご来店をお待ちしております。 _ _ _ _ _ //ご案内//_ _ _ _ _ *佐々木敏夫さんが在店される9/16(金)、9/17(土)のご来店は、完全予約制となります。ご予約は空きのある時間帯でしたら当日まで受け付けます! →ご来店予約はこちらよりどうぞ **9/18(日)から9/21(水)までは、ご予約なしで自由にご来店いただけます。 ***企画展期間中は、「岩手...
企画展- 表と裏のアンサンブル

企画展- 1,000のデザイン
いよいよ、開催まであと2日となりました。今回の企画展 「岩手 さわぐるみのかご -表と裏で織りなす豊かな世界-」では、お出かけ用のかごバッグを中心に、室内での整頓にお使いいただける整理かごやブローチなど、ほぼ一点ものの、バラエティ豊かなかごの数々をご覧いただきます。 展示のメインとなる「かごバッグ」は、作り手の佐々木敏夫さんにとって、ご自身が初めて作られたものであり、今もコンスタントに作り続けられている製品でもあります。 「作品ではなく、製品を作っているという意識がある」とおっしゃる佐々木さん。それは、日々使う道具として、とにかく壊れてはいけない、丈夫でなければいけないと考えられているからこその言葉です。 道具としての頼もしさもさることながら、「芳醇」(というのがピッタリだと思うのですが)な香りと、とにかく心地のよい樹皮の手触り! 店頭では、ぜひすりすりと触れていただきたいです。 佐々木さんが作るきっかけとなった、師匠であるお母様が作られたかごバッグ(佐々木さん私物/企画展展示品) さわぐるみの樹皮には表と裏があり、その2種類の質感や色味の違いを用いて編まれたかごバッグは、ひとつひとつ異なり、さまざまな表情を見せてくれます。 たとえば、こちらは樹皮の裏を使って編まれた「総裏皮」のかごバッグですが、濃い茶色というよりも、「ブラック」と表現したくなるような、ダークな色味です。 表と裏の2種類のみですが、そこには何色ものグラデーションが存在し、それらが組み合わさることで、個性あふれるかごバッグが生まれます。 今までに作ってこられたかごの数は、1,000近くになるとお聞きしています。つまり、1,000ものデザインが生み出されているということ。なんとも楽しく、奥深い世界だと感じます。 今回の企画展では、その一部となる35点ほどを展示いたします。そして、こちらでは、そのまた一部を写真でご紹介します。 また今回は、かごバッグにあわせて使える「あずま袋」をご用意くださいました。 バッグインバッグとして、かごの中の荷物をまとめておくのにも良さそうですし、目隠しとしても活躍します。 季節や気分によって布の色味を変え、雰囲気を変えてみたりと、お楽しみいただけます。 こちらはかごバッグの作り手でもある佐々木さんのお母様が縫製されたものです。 ぜひ、さわぐるみの手提げとあわせて、お試しください。 なるべく壊れないようなかご作りを心がけているとおっしゃる佐々木さん。かごは丈夫な作りとなっていますが、万が一壊れたときには修理も承ります。 「基本的には、修理をしながらずっと使えるものなので、どんどん使って欲しいと思います。」 長い時間をかけて、経年変化をしながらそばに寄り添ってくれる、頼もしく愛らしい一品になることと思います。 この企画展が、その一品を見つける、お客様とのご縁を繋ぐ機会となれば、嬉しいです。 _ _ _ _ _ //ご案内//_ _ _...
企画展- 1,000のデザイン

企画展- 岩手と、さわぐるみと
2022年、春。今年は東北地方も東京と同じく平年並の、6月15日の梅雨入りでしたが、そのちょうど1日前にあたる、6月14日。 スタッフ数名で盛岡を訪れ、今回の企画展をお願いするかごの作り手佐々木敏夫さんにお会いして、お話をうかがいました。 梅雨入り間近とはいうものの、この日は爽やかな、すっきりと晴れた1日でした。佐々木さんのお話では、最近は気候変動の影響か、盛岡でも暑さを感じる日が増えているそうです。ただ、この日はそこまで暑くもなく、吹く風が少しひんやりとした、「昔の盛岡っぽい」陽気とのこと。 ご友人の高倉さんも同行してくださり、佐々木さんに、さわくるみの採取ポイントをご案内いただきました。 さわぐるみの採取ポイントに向かう車内では、ひとりのスタッフが札幌に住んでいたことがあるという話から、盛岡の冬についての話に。札幌など北海道から盛岡に来た人が、「盛岡はめちゃめちゃ寒いね」とよく言うんです、と佐々木さん。 真冬は盛岡市内でもマイナス10度を下回る寒さになり、市の中心部から離れた「薮川(やぶかわ)」へワカサギ釣りに行くと、朝方にマイナス20度ほどを体感することもあるそうです。早朝に釣りをしていて、晴れ間が見えると「空中にキラキラとしたダイヤモンドダストを見ることもできるんですよ」と教えてくださいました。 そんな寒冷の地でもよく育つさわぐるみ。 今回は、県内の採取ポイントのひとつをご案内いただき、刈り取るのに適したさわぐるみの木を選んでスタッフにも刈り取りを体験させてくださいました。 伐り取った木は、切り込みを入れて樹皮を剥いでいきます。 樹皮の裏や剥がれた木の芯に触れると、しっとり、ペタペタとして瑞々しい。 もっと採取する時期がいいと、枝を伐った断面から水分がぼたぼたと滴るように垂れてくるほど、フレッシュだといいます。 *2021年5月に取材したときのコラムも合わせてご覧ください。→材料採取 岩手県のさわぐるみ採取 製作だけでなく、材料採取もご自身でおこなう佐々木さん。 毎年、自然の中に分け入って材料を採り続けていくというのは、かなり根気と体力のいることです。また近年では、熊の出没も増えていて、去年は佐々木さんも遭遇した経験があるとのこと。 採取期間中の何よりの楽しみは、地元のラーメン屋さん巡り。その時期は毎日のように美味しいラーメンを食べるそうです。「くるみなのか、ラーメンなのか」と笑いながら言います。ラーメンを食べるために、くるみを採っているんじゃないかと。 かご作りを始められるまえは、釣り関係のお仕事に就いていらしたほどの釣り好き。材料採りが落ち着くと、「そろそろ釣りにいこうか」となるそうです。 子どもの頃から、ずっと盛岡に住んでいらっしゃる佐々木さん。友人や親戚がいたり、前職で関東に行くことはよくあったそうですが、「東京は遊びにいくところという感じです」。 「こっちにいたほうが遊べますね」山も、川も、海もある。自然も街も近い。「盛岡にいれば、だいたいなんでも揃いますよ」。 仕事も遊びも、どちらも生活の大切な要素。佐々木さんの作られたかごの数々を見ていると、それが反映されているように感じます。 9月16日(金)より始まる弊店の企画展では、初日(16日)・2日目(17日)と佐々木敏夫さんが在店してくださいます。 素材、かごのこと、かご作り、地元のことについてなど、直接お話をうかがえる貴重な機会ですので、ぜひご予約のうえ、お越しください。 ※採取場所は、すべて許可を得てから採取、撮影をしています。 _ _ _ _ _ //ご案内//_ _...
企画展- 岩手と、さわぐるみと

企画展- 岩手 さわぐるみのかご
このところは、朝や晩になると涼しい風も感じられるようになってきました。 あと一か月もたち、残暑が和らぎ、実りの季節を迎えているころ。9月16日(金)より、弊店で2回目となる企画展を開催いたします。 タイトルは 「岩手 さわぐるみのかご -表と裏が織りなす豊かな世界」。 こちらのさわぐるみのかご。5年ほど前から弊店でお取り扱いをはじめ、定期的にご紹介しご好評をいただいております。弊店でのロングセラー商品のひとつです。 いつもは数点ずつのご紹介でしたが、今回の企画展では、かつてない点数のかごたちが集まります。 さわぐるみという同じ素材であっても、ひとつひとつの樹皮に色の濃淡や風合い、模様の違いがあり、また、それらを使って作られたかご(とくにかごバッグ)は、ほぼ一点一点、デザインも異なるため、店頭にならぶラインナップも、表情豊かに、きっと目を楽しませてくれることでしょう。 さわぐるみならではの、芳しい香りもお楽しみいただけたらなと思います。 写真では表しにくい、樹皮の質感や香り、かごのサイズ感。 こうしてコラムやInstagram、オンラインショップなどで商品をご紹介するときに、なるべく写真や文で、そのものの良さが伝わるようにと心がけていますが、やはり、直接見ていただいたお客様から、「写真で見るのと実際に見るのでは違いますね」というお声をいただくことがあります。 この機会に、さわぐるみのかごの世界に直に触れて、体感していただけたらと思っています。 初日と2日目には、作り手である佐々木敏夫さんも在店してくださいます。 素材、かごのこと、かご作り、地元のことについてなど、直接お話をうかがえる貴重な機会ですので、ぜひご予約のうえ、お越しください。 今年6月には、製作されている現地へ、スタッフ数人で取材にうかがいましたので、そのときのお話もこちらのコラムでご紹介します。 どうぞお楽しみに。 _ _ _ _ _ //ご案内//_ _ _ _ _ *作り手さんが在店される9/16(金)、9/17(土)のご来店は、完全予約制となります。 →ご来店予約はこちらよりどうぞ(8/22より予約開始) **企画展期間中は、「岩手...