コラム
企画展- 青竹工房 桐山 個展
当代(5代目)になってから8年目となる、2022年の今年。 これまでは籠(かご)や笊(ざる)、箕(み)を中心にいつでもご覧いただける常設店として営んでまいりましたが、この春、弊店では初めての試みとなる、期間限定の企画展をおこなう運びとなりました。 その記念となる第一回は、3月17日から始まる、大分県竹田市で籠作りをされている「青竹工房 桐山」さんの個展です。 こちらを主宰されている桐山浩実さんは、竹細工の道を歩まれて30年以上の名手。 青竹細工(あおたけざいく/切り出したままの青い状態の竹を使う細工)を専門とされ、人々の営みになくてはならない必需品、農林漁業の用具から生活道具まで、さまざまな場面で使われる道具を製作されています。 その工程においては、自生する真竹や山に生えるツツラフジを自らの目で見極め、伐採することから始まり、竹割りやひご作り、籠編みに至るまでの全てを担われます。 一本一本の竹と対峙し、30年で積み重ねられた技術と、つねに緊張感を持って進められる仕事。 そこから生まれた籠は、力強く、美しく、そして優しさを含んでいるように感じられます。きっと傍に置いておくだけで、その人の暮らしや心を支えてくれる、パートナーのような存在になるのではないかと思います。 はじめて拝見したときから、ひと目惚れのごとく魅了された籠の数々。 当代の私たちになってから、長くお付き合いをいただき、たびたび店頭やオンラインショップにて作品をご紹介してまいりましたが、今回は、はじめて作品を一堂に集めた企画展を開催することになりました。 自分たちにとっては経験のないことで、小さな弊店にはまさに大きな決断でしたが、桐山さんがいてくださったからこそ、新たな一歩を踏み出せたと感じます。 今回の個展では、米研ぎ笊、カトラリー入れ、花籠、 ランチバスケット、買い物籠、手提げなど総数70点ほどの、幅広いタイプやサイズの作品をご覧いただきます。 展示作品は全て販売し、一点もので売約済みのものは受注を承ります。また、会期の最終日まで全ての作品を展示いたしますので、一堂に会する「青竹工房 桐山」の作品の数々をお楽しみください。 作り手の桐山浩実さんと直接お話しでき、箸削りの実演をご覧いただける貴重な機会となります。 また、作品以外にも、素材や道具、写真、桐山さんゆかりの所蔵品を展示する予定でおりますので、どうぞ足をお運びいただき、ご覧いただければ幸いです。 大分県竹田市 //ご案内// *桐山さんが在店される5日間「3/17(木)〜3/21(月祝)」のご来店は、完全予約制となっております。 まだ空きのある時間帯もございますので、よろしければご予約の上、ご来店ください。 ご来店予約はこちらよりどうぞ ←ご予約期間終了しました。 **桐山浩実さんについて、2/27リリースの『婦人画報デジタル』にて工芸ライターの田中敦子さんによる取材記事が掲載されています。ぜひご覧ください。 →桐山浩実さんのご紹介記事 ***弊店も個展開催場所としてご紹介いただきました。よろしければこちらもご覧くださいませ。 →市川籠店のご紹介記事 企画展名 : 青竹工房...
人と店- 竹清堂さん
少し前のことになりますが、昨年10月の某日、東京杉並区の「竹清堂(ちくせいどう)」さんを訪問しました。 京王線桜上水駅から5分ほどの甲州街道沿いに店舗を構えていらっしゃいます。 竹工芸品を制作、販売されているお店で、創業は1907年(明治40年)。115年に渡り、代々、この地で作り続けられています。 現在は三代目となる田中旭祥(きょくしょう)さん・淳子さんご夫妻、そして四代目となる茂樹さん・亜希子さんご夫妻が、お店を守られています。 こちらは制作をされている工房の様子です。 旭祥さんと淳子さんは、大分県にある現・竹工芸訓練センターで修行された後、先代からお店を引き継がれて、こちらの工房で花籠や茶籠、ランプシェードなど精巧で丁寧な作りの籠から能舞台で使われる道具作りまで、多種多彩な工芸品を作られています。 旭祥さんはこれまで40年以上に渡って「日本伝統工芸展」に入選なさり、定期的にアメリカで個展を開かれるなど活動され、2008年には芸術部門の紫綬褒章を受賞されています。 息子の茂樹さんも、20歳のころから工房に入られ、もうすでに20年以上、竹工芸の道を歩まれています。 竹清堂さんの屋号は、二代目である、旭祥さんのお父様の清(きよし)さんが営まれていた店名「田中清商店」が由来。 初代の頃には、運搬用の角籠や給食の調理に使われる亀の甲笊など、生活用具としての竹籠を作られていたそうですが、清さんの代になると、高度経済成長時代の影響で需要が竹製品からプラスチックや段ボールに変わっていき、思うように売れなくなっていったそうです。 そこで、清さんは竹の造形物を作ることを考えます。竹ひごで編んだ白鳥を店の屋根に置いたことが人々の目を引き、それから依頼された造形物を次々に作られていったとのこと。辰や虎など干支にちなんだお正月飾り用のもの、鰻屋さんの立体看板、原爆反対のオブジェなど、迫力のあるものからユニークなものまで。実物大とも思える4、5メートルはありそうな恐竜の造形物も。こういった造形物は数人がかりで寝る間も惜しんで作るほど大変だったようです。相当の気力や体力が必要とされたのではないかと思います。 近年では、大きな象さんがお店に飾られているのが、印象的でした。(写真右《または上》参照/今は冒頭の写真の通り、象さんは引退されています) 竹清堂さんのHPでもいろいろな造形物の写真を見られますので、ぜひご覧ください。 竹清堂さんの作られた造形物については、こちらの本にも詳しく載っています。 旭祥さんと茂樹さんが造形物についてインタビューを受けられていて、そのほか、最初から最後まで丁寧に綴られた内容ですので、竹細工についてご興味のある方には(そうでない方にも)ぜひお勧めしたい本です。 上段《または2つ前の》写真、右《または上》写真:西荻案内所編著『西荻にいたピンクの象』 そして、こちらは竹清堂さんの工房に併設されたギャラリーの様子です。 竹清堂さんと弊店は、同じ東京の地で、竹細工を生業とする店として明治期に創業したという共通点があります。 初代や二代目の頃は、竹清堂さんでも運搬に使う角籠や野菜籠、給食用の亀甲ざるなど、生活用具としての籠を数多く作られていたそうです。 その後は、竹清堂さんは竹工芸の道を歩まれ、弊店は三代目で製作を辞めて販売専門となり、進む方向が少し異なりましたが、それでも、私たち夫婦は勝手ながら親近感を覚えるところがあり、お店を継いで間もないころに突然お訪ねしたことがありました。 突然うかがい不躾だったにもかかわらず、そのときにいらした旭祥さんと淳子さんは、ご丁寧に作業の手を止めて、いろいろと優しくお話しをしてくださいました。 そのときのお話では、旭祥さんは、50年ほど前に、お父様の清さんとご一緒に弊店へいらしたことがあったそうです。角籠を作ってくれないか、という製作の依頼のためにいらしたとのこと。 それから、折々でお付き合いをいただいています。 茂樹さんの奥様、田中亜希子さんはお花の専門家でもいらして、「花竹清堂」としても活動されています。 山野草や野の花の活け込み、ブーケや籠花のご制作のほか、竹清堂さんでのお花のレッスン、販売も手掛けていらっしゃいます。 毎月、弊店にもお花を届けていただいていますが、季節を通したお花の変化を楽しむことができ、山や野の花が、小さな店内に潤いや華やかさを与えて、心地の良い風を引き込んでくれているようにも感じられます。 そして、先月になりますが、2021年12月末に竹清堂さんは大きな節目を迎えられ、現在の杉並店を閉店し、山梨県北杜市に移転されることとなりました。 夏ごろにご移転のお知らせをいただいたときには、我が目を疑い、とても驚きましたが、やがて、素晴らしいご決断だなと、じわじわと感動したのを覚えています。 場所が変わっても、竹清堂さんの築かれてきたものはきっと変わることなく、また山梨の地で根付いていくのだろうと思います。 以前はギャラリーとして使われていた建物を新しい店舗とされるそうです。いろいろお写真を見せていただきましたが、それはそれは素敵な空間に、ワクワクしてしまいました。...
-予約販売-- 長野のしめかざり 4
今朝の通勤には、今年初めて冬物のジャケットを羽織ってきました。日中の暖かさから朝晩はぐっと気温が下がるようになり、冬がすぐそこまで来ている気配が感じられます。 では、今回も引き続き長野のしめかざりをご紹介します。 13. 両じめ縄 こちらは縄を一文字に綯い(ない)、真ん中が太くなった「大根じめ」のような仕様になっています。 縄の右がキュッと上がり、存在感や勢いのあるしめかざりです。 このように一文字に綯われたものは右端(もしくは左端)に「モト(稲わらの根元)」、左端(もしくは右端)に「ウラ(稲わらの穂先)」が来ることが多いのですが、こちらの両じめ縄は左右とも「ウラ」で仕上げられています。 そのため、通常のしめ縄よりも稲わらを多く使って綯い継いでいくので、手の込んだ作りとなります。 14. 雄飛(ゆうひ) 鶴の羽ばたく姿が印象的です。 水引の鶴と、掛け干した稲穂、リース状の縄に稲わらのモトが飾られています。 装飾品などを加えずにこのまま飾ることができることもあり、ご好評いただいています。 鶴は長寿を象徴する吉祥の鳥。この掛け飾りと見ていると、エサを求めて田んぼに舞い降りた鶴がまた飛び立っていくような絵を思い浮かべます。 豊かさを感じられる、しめかざりです。 15. 五穀豊穣(ごこくほうじょう) こちらは穀物が豊かに実るという意味から、豊作や雨の恵みを願って飾ります。 五穀とは、諸説あるそうですが、主食となる食物「米、麦、粟(あわ)、豆、黍(きび)」を指します。 しめ縄の力強い縄綯いが感じられます。農家でも飾られることの多い大ぶりなしめかざりです。 16. 笑門来福(しょうもんらいふく) 左右に張られた縄と、中央の桟俵(さんだわら)、三つのわら束で「門」を表しています。 さらに、桟俵を太陽、縄を雲、サゲを雨、紙垂を雷に見立てています。 長野の地元では、中央におかめの面が付いた笑門来福が一般的だそうですが、こちらは、おかめの代わりに桟俵が付いています。 こちらも大ぶりなしめかざりです。大きな門や玄関などに飾ると、華やかになりそうです。 笑う門には福来る、来年こそは、皆で穏やかに笑って過ごせる年になりますように。 しめかざりのご紹介は、以上となります。このほかにも長野のしめかざり、東京のしめかざり、コラムにて一通りご紹介しておりますので、よろしければご覧ください。 実店舗の開店日には、店頭でもご覧いただけるようにサンプル品をご用意しております。お気軽にスタッフにお声がけください。 しめかざりのご予約販売は12/5(日)までとなります。年末年始のお支度に、いかがでしょうか。 イチカワ アヤ
-予約販売-- 長野のしめかざり 3
モミジやイチョウなど、紅葉が目に楽しい季節になりました。少しずつお出かけの機会が増えている、という方もいらっしゃるでしょうか。 さて、引き続き、年末年始しめかざりのご予約を受け付けております。今回は長野県のしめかざりをご紹介します。 9. 一粒万倍(ひとつぶまんばい) 桟俵(さんだわら)、鶴の水引、稲穂の付いた縁起の良いしめかざりです。 豊かさや健康、家内安全、商売繁盛などさまざまな形での繁栄や発展を願って飾ります。 華やかな水引が付いており、このまま飾っても絵になりそうです。 10. 福縄(ふくなわ) こちらは「鯛」の形に見立てられています。 縄を一文字に綯い(ない)、縄の中にアンコを入れて一部を太くした「大根じめ」の応用の形です。 写真では左に鯛の頭、右に尾が来ていますが、こちらは表裏のない作りですので、左右を逆にして飾ることもできます。 力強く、勢いのある縄綯いを楽しめます。 橙(だいだい)、譲葉(ゆずりは)などの装飾品を付けて飾るのも良さそうです。 お好みでご用意ください。 11. 萬亀(ばんき) 甲羅に藻がついた「蓑亀(みのがめ)」という亀が印象的な、リース型のしめかざりです。 縄に沿うように水引の輪があしらわれ、雷型の紙垂(しで)がついた、豪華な飾りです。 長寿や繁栄の象徴といわれる亀。 ちょこっと付いたかわいらしい亀ですが、しっかりと編まれています。 12. 祝亀(いわいがめ) こちらも、甲羅に藻が付着した亀、蓑亀を模しています。 昔から長寿のしるしとして、文様などでも描かれ親しまれてきました。 亀の後部には、たっぷりとした稲穂が付いています。 このように引っ掛けて飾るのも良いですし、 置いて飾るのも。甲羅の部分に、ナンテンやセンリョウ、マンリョウなどの赤い実を付けた植物を挿してポイントにするのも、また良さそうです。 長老を思わせる蓑亀は特に縁起がいいそうです。 実店舗の開店日には、店頭でもご覧いただけるようにサンプル品をご用意しております。お気軽にスタッフにお声がけください。 しめかざりのご予約販売は、12/5(日)までとなります。どうぞご利用ください。 イチカワ アヤ
-予約販売-- 東京のしめかざり
今回は、弊店でお取り扱いしているうちの東京で製作されたしめかざりについて、ご紹介したいと思います。 私たちにとって最も馴染みがあり、弊店でしめかざり販売を始めるきっかけともなったのが、こちらの「ごぼうじめ」です。 今、使用している実店舗の建物は弊店三代目のころ、1958(昭和33)年に建てられたもので、店舗の奥側には、その頃に取り付けられたと思われる神棚が鎮座しています。 毎年、暮れになると六尺のごぼうじめを買い求め、その1メートル50センチほどの神棚に一年を通して飾り、翌年の末に新しいものに付け替える、というのが慣例となっていました。 三代目のころから続いていた慣わしで、そのころからのお付き合いとなる、近隣の商店街のお店に毎年予約を取ってお願いをしていたのですが、残念ながら、数年前に店仕舞いされてしまいました。 六尺となると、通常生産されているごぼうじめの中では最大サイズで、なかなか市販では手に入りません。 どうしたものかと考え、かねて、ご来店くださるお客様からしめかざりについてのお尋ねやご要望をいただいていたこともあり、それならば、きちんとした品質のものを自分たちで取り扱い、神棚にも飾って、みなさまにもお届けできればと、販売を始めることとなりました。 それでは、東京の江戸川区で製作されているしめかざり、6種類をご紹介します。 東京のしめかざりに付く「紙垂」や「御幣」は、封筒に入れてお荷物に同梱いたします。 それぞれの商品ページに、紙の折り方や付け方の動画を載せておりますので、お取り付けの際にご参照ください。 1. ごぼうじめ 二・三・四・六尺 4サイズ 一文字に縄を綯った(なった)ものです。同じように一文字に綯われたものには、縄の真ん中が少し太くなった「大根じめ」と呼ばれるものもありますが、こちらは一定の太さで仕上げられています。 主に神棚、玄関に飾られるもので、その横幅に合わせてサイズ展開があります。 「一尺」や「五尺」がご希望の方は、「ごぼうじめ」のいずれかのサイズを選んでご購入いただき、備考欄にその旨をご記載いただければ、対応いたします。 2. 玉かざり 二寸・三寸・五寸・七寸・尺玉 5サイズ 東京のしめかざりで、ご好評いただいている玉かざりです。 こちらは赤白の「御幣(ごへい)」と呼ばれる装飾品が付いています。 このまま飾られるのもよいと思いますし、このほかに、裏白や譲葉などの装飾品を用意して、取り付ける方もいらっしゃいます。 お好きなアレンジでどうぞ。 3. 荒神(こうじん) こちらは台所の神様(荒神様)に飾るものです。左側がキュッと上がった作りが特徴的です。 写真では大きさがわかりにくいですが、それほどの場所を取らない、小ぶりなしめかざりです。 4. 板じめ・ナイサゲ 1間 こちらは玄関や神棚、店先に飾られることの多い掛け飾りです。 写真の上がナイサゲ、下が板じめです。一見すると違いがわかりませんが、縄の太さが異なります。 神社などでは、腐食・劣化することの少ない、樹脂製のしめ縄が飾られているのを見ることがありますが、飾りたての清々しい青みから、時とともに黄色味が強くなっていく、その稲わらならではの色や質感の移り変わりもまたいいものではないかと思います。 5. 輪かざり しめかざりというと、「願掛け」のタイプが多いですが、こちらは「感謝の念」を込めて飾る、珍しいタイプのように思います。台所の蛇口、トイレなど水回りに飾られたり、仕事道具、おもちゃや自転車など、日々の暮らしを豊かにしてくれる道具への労いとして。 こちらの作り手の方々は、お父様の代からしめかざりを作り続けていらっしゃいます。ひと昔の前の注文量に比べると、昨今はグッと減っているそうです。 昔ながらの「神棚」や「玄関」がある建築様式が減ったことや、近くのスーパーでも輸入された安価なしめかざりが売られるようになったのがその要因だとおっしゃいます。...
-予約販売-- 長野のしめかざり 2
すっかり秋めいてきましたね。もうすぐ11月。今年もあと2か月ほどです。 年末年始しめかざりのご予約を受け付けております。11/7(日)までは定価の5%引きとなりますので、この機会にぜひご利用ください。 そして、今回も引き続き、長野県のしめかざりをご紹介します。 5. 一望千里(いちぼうせんり) こちらはふたつの輪を眼鏡に見立て、タッセルのようなふさふさが付いた、リボン型のしめかざりです。 眼鏡のように掛けることで、「先の見通しが立つ」という意味が込められています。 少し先のことすらもどうなるかわからないようなそんな世情の続く数年でしたが、来年こそは霧が晴れて視界が開け、良い方向に向かいますように。 6. 叶結び(かのうむすび) こちらは、今回ご紹介しているしめかざりの中でもとくにご好評いただいている「叶結び」です。 水引やお守りなどでも使われる装飾結びの一つで、願いが叶う、縁起の良い結び方ともいわれています。 小ぶりなサイズですので、室内のお好きなところに飾って、一年を通して楽しまれてはいかがでしょうか。 7. 鳩(はと) こちらは鳩の形に模したしめかざりです。 西洋と同様に、日本でも平和の象徴として古くから神社などで大切にされてきた鳩。 私自身も、平和を願いつつ、今こうして穏やかな暮らしが送れることに感謝しながら飾りたいと思っています。 正面から見ると、紙垂(しで)に隠れて見えにくいのですがこのように輪っかになった部分は2本の綯い縄(ないなわ)がねじれて交差しながらひとつの輪を形づくっています。 鳩の羽は、「モト」と言われる稲わらの根元を使用しています。モトの反対側は「ウラ」といい、穂先のことをさします。ウラは鳩の首と頭部分をかたどっています。 両側の羽を表すのに、2つのわら束を使うため輪のところでねじらせているのです。 丁寧な作りで、じーっと眺めてしまいます。 8. 百福(ひゃくふく) 丸い桟俵(さんだわら)が印象的なこちらの掛け飾り。桟俵とは、俵の両側につける円形のわら蓋のことで、こちらのかざりでは太陽を表しています。 左上に顔をのぞかせているような2つの輪は地球と月に見立てたものです。 そのまま飾るのもよいですが、桟俵の部分に、ナンテンやセンリョウ、マンリョウなどの赤い実を付けた植物を挿してポイントにするのも、また良さそうです。 実店舗の開店日には、店頭でもご覧いただけるようにサンプル品をご用意しております。お気軽にスタッフにお声がけください。 次回は、東京のしめかざりについて紹介いたします。 イチカワ アヤ